伝統こけし
-Traditional Kokeshi-
【伝統こけし】とは、日本の東北地方でのみで制作される、木製の人形です。12の系統で分類されており、産地ごとに個性的な特徴を持ちます。中でも宮城県が最も系統の多い県となっております。
【宮城県‐鳴子系・遠刈田系・弥治郎系・作並系】
【青森県‐津軽系】
【秋田県‐木地山系】
【岩手県‐南部系】
【山形県‐山形系・肘折系・蔵王高湯系】
【福島県‐土湯系・中ノ沢系】
伝統こけしは多種多様の形状や描彩が創作され、師匠から弟子へ受け継がれています。受け継がれる独自の形状や描彩により、作品だけでどの工人の作品かを判別する事もできます。
すべての伝統こけしは天然木を轆轤(ロクロ)で挽いて成形され、工人はそこに顔や文様といった描彩を施します。伝統こけしは主にミズキやイタヤカエデという種類の材木を使用しますが、他にも椿、桜、槐、欅なども使用し、独自の表現を行います。
過去の伝統こけし販売会 一覧
■宮城県
鳴子系こけし
どっしりと安定感のある胴体。首を回すとキュッキュッと音がするはめ込み式。前髪を水引で結んだような髪型が特徴。こけしのアイコンとして登場する事が多く、こけしと言えば鳴子こけしを思い浮かべる人が多い。
遠刈田系こけし
大きめの頭部が特徴的で、頭頂と額から鬢(びん)にかけて赤い放射状の「手絡(てがら)」が描かれ、切れ長の目と割れ鼻が印象的です。胴部には菊や梅などの花模様が施されています。シャープで凛とした表情は、東北の厳しい冬を連想させます
弥治郎系こけし
頭部にベレー帽のような多色のろくろ線が特徴的です。くびれのある女性的な胴体には、カラフルなろくろ線や襟、袖の模様、花などが描かれています。華やかで現代的な色彩のコントラストが印象的で、モダンな魅力を放っています。
作並系こけし
小さな頭と細長い胴が特徴的です。胴には「かに菊」と呼ばれる独特の菊模様が施されています。最古の産地のとされ、こどもが握りやすいシンプルな設計からは、玩具としての起源と歴史を感じさせる魅力があります。
■東北
津軽系こけし
明治~大正期に誕生した比較的新しい系統です。オカッパ頭に愛らしい笑顔が特徴的で、くびれた胴と裾広がりの足元を持ちます。胴には牡丹の花や達磨絵、アイヌ模様が描かれ、1 本の木から作る「作りつけ」技法が基本となっています。
木地山系こけし
らっきょう型の小さな頭部と太めの胴が特徴です。胴には縦縞の着物や梅、絣模様に加え、独特の前垂れが描かれることもあります。1 本の木から頭と胴を一体で作る「作り付け」技法を用い、素朴で温かみのある印象を醸し出します。
南部系こけし
素朴な木肌の美しさを活かし、彩色を施さないのが特徴です。頭部は緩いはめ込み式で、くるくると動くことから「キナキナ」と呼ばれます。元々は赤子のおしゃぶりが発展したとされ、木のぬくもりが伝わる温かみのある佇まいが魅力です。
山形系こけし
小さな頭部とこどもが握りやすいスリムな胴が特徴的です。胴には四弁の梅や桜、県花の紅花など、独特の花模様が描かれます。顔立ちは二重まぶたに、割れ鼻や丸鼻、猫鼻など温かみのある表情と繊細な装飾が魅力です。
蔵王高湯系こけし
遠刈田系の影響を受けた太めの牡丹胴と大きな頭部が特徴です。赤い放射状の「手絡」、おかっぱ髪、三日月型の目が印象的。胴には桜くずしや重ね菊、紅花などの華やかな模様が施され、豪華で色鮮やかな佇まいを醸し出します。
肘折系こけし
鳴子系と遠刈田系の技法を融合させた、太めの直胴に肩の張った特徴的な形状。頭部は内側をくりぬき、小豆を入れて音が出るものも。にんまりとした表情が愛らしく、胴に重ね菊
や撫子などの花模様を施します。
や撫子などの花模様を施します。
土湯系こけし
小さな頭と細身の胴体が特徴です。頭頂部の「蛇の目」模様、前髪両脇の赤い「かぜ」髪飾り、クジラ目とお
ちょぼ口が愛らしさを醸し出します。胴にはろくろ模様が施され、素朴な佇まいが懐かしい温泉情緒を感じさせます。
ちょぼ口が愛らしさを醸し出します。胴にはろくろ模様が施され、素朴な佇まいが懐かしい温泉情緒を感じさせます。
中ノ沢系こけし
見開いた目と団子鼻、目の周りの赤い化粧が特徴的です。胴には轆轤線を基調に牡丹や桜の鮮やかな模様が施されます。土湯系から独立した新しい系統で、その独特の表情は「たこ坊主」の愛称で親しまれています。